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写真展「宮崎学 イマドキの野生動物」を鑑賞しました

2021年9月11日 土曜日

9月11日は、午前中に、東京都写真美術館で開催されている写真展「宮崎学 イマドキの野生動物」を鑑賞しました。本日は、午後に宮崎さんによる講演会も開催されたのですが、こちらは、日程の都合で断念しました。

宮崎学さんは、中川村生まれ駒ケ根市在住の写真家で、伊那谷の自然豊かな環境の中で生きる野生動物をはじめ、日本中の自然を観察されており、自然と人間をテーマに、「自然界の報道写真家」として活動されている方です。

展示は、
I ニホンカモシカ(1970-73)
II けもの道(1976-77)倒木のけもの道(2012-13)岩田の森 けもの道(2011-12)
III 鷲と鷹(1965-80)
IV フクロウ(1982-88)
V 死(1993)死を食べる(2012-16)
VI アニマル黙示録 イマドキの野生生物(1993-2021)
VII 新・アニマルアイズ(2018-21)君に見せたい空がある(2020-2021)
の7部構成になっており、宮崎さんの約50年間にわたる作品を見ることが出来ました。

特に、赤外線センサーとフラッシュを連動させた自作のロボットカメラによる作品の数々は、普段見ることのできない野生動物たちの姿を生き生きと写し出していました。

「死」のコーナーでは、ニホンジカが死んでから、他の野生動物の食料となり、鳥の巣の材料となり、やがて骨になり、自然に帰るまでの姿を2年にわたり膨大な定点写真で追った映像作品を見て、生命の循環というものを深く感じました。

また、森林を通る道に架けられた橋の定点観測では、昼間は様々な人が行きかい、夜はツキノワグマをはじめとする様々な野生動物が通る姿が写っており、人間と野生動物の生活圏がこんなに近いのだということを実感しました。

さらに、漂流物の台所洗剤のキャップを宿にしたヤドカリの写真や、福島の浪江町の空き家に出入りするテンやイノブタなど、社会問題を背景とした写真も多く展示され、様々なことを考えさせられました。

改めて、人間も自然の中で生かされている存在であることを感じるとともに、人間の営みが自然のバランスを変化させ、野生動物の数や暮らし方にも影響を与えていること知ることができた展覧会でした。

展覧会は、10月31日まで開催されています。

詳しくは、ホームページをご参照ください。代表的な写真作品もご覧いただけます。


展覧会を鑑賞した後で、入り口のパネルの前で記念撮影をしました。


展覧会のビラの表面です。


展覧会のビラの裏面です。