2009年11月 のアーカイブ

収穫の秋を迎えた中川村です。

2009年11月27日 金曜日

本日は、中川村を訪問しました。中川村は、大鹿村とともに「日本で最も美しい村」連合に加盟している村ですが、その名の通り、本日もいくつもの美しい景色に出会うことができました。
また、多くの皆さんが、収穫の秋を迎えて大忙しでした。

清の上農園の宮下春広さんは、「ふじ」の出荷作業の真っ最中でしたが、お話を伺うと、贈答用に全国から注文が来るとのこと。とくに驚いたのが、リンゴの大産地である青森県からも、「地元のものよりも宮下さんのリンゴのほうがおいしい」と注文があるそうです。伊那谷の果物が高く評価されるのは、とてもうれしいですね。

今年は、台風の上陸被害もあり、枝ですれたリンゴや、7月の長雨で、糖度の高いリンゴが水を含んで割れてしまう被害が出ています。こうしたリンゴも、おいしさはかわらないので、名古屋に出荷し、好評を得ているそうです。ジュース用に売ると1ケース300円前後のものが、3000円前後で売れるとのこと。都会の消費者もだんだん賢くなっていますね。

高柳雅安さんは干し柿をトレイの上にのせて乾燥させる作業に大忙しでした。その後ろにはハウスの中にみごとな柿すだれがかかっていました。すだれ状にして約1カ月干したのち、手前のドラムでイモ洗いのようにもみ、トレイで乾燥、またドラムでもむ、という作業を繰り返すうちに、白い粉をふいてくるのだそうです。

高柳さんは上伊那で行われたコンテストで1位をとられたほどの柿作りの名人ですが、やはり丹精をこめ、手間を惜しまないで取り組まなければ良いものはできないのだということを実感しました。

(冠雪と雲で、美しく化粧した中央アルプスの山々です)


(全国から注文が届き、大忙しの宮下さんです)


(台風で枝ずれができたり、長雨で割れたりしたりんごですが、味は天下逸品です)


(高柳さんは、トレイに乗せた柿をゆする作業をされていました。)


(みごとな柿すだれです。手前が、電動で回転して柿をもむドラムです。)

松川町で地域おこしの話をお聞きしました

2009年11月25日 水曜日

本日も、辰野町、松川町、豊丘村、飯島町をまわり、様々な方々とお会いをすることができました。

特に印象的だったのは、松川町の新井商店街にある中華料理店「大西楼」のオーナー、小林さんからお聞きした「ごぼとん丼」についてのお話です。

ごぼとん丼は、地域おこしのため、2005年3月に町内の飲食店有志の方々が「松川町の味研究会」を設立し、研究した結果、地元産リンゴ・ウメで育った黒豚と地元産ごぼうをくみあわせたどんぶりを、「ごぼとん丼」のネーミングで売り出すことになったものだそうです。

現在、松川町で7軒のお店で、それぞれ工夫した「ごぼとん丼」をメニューにしているそうです。(詳しくは、ごぼとん丼のホームページ(http://goboton.com/)をご参照ください)

このたび、ごぼとん丼は、2010年1月8日から11日まで東京ドームで開かれる「ご当地丼選手権大会」に出場する20の丼の一つとして出品されることが決定したそうです。

また、諏訪から上伊那、飯田までのご当地どんぶりをもつ地域が連携して、「どんぶり街道」として売り出していく企画も進行中とのことです。

昨年来の不況で、夜のお客さんは減少気味なものの、全国からうわさを聞きつけて「ごぼとん丼」を食べにくる方も多く、特に土日にはお客さんも多いそうです。

厳しいながらも知恵と工夫で頑張っておられる小林さんのお話に大変勇気づけられたひとときでした。

(オーナーの小林さんと記念撮影)


(ごぼとん丼のキャラクターである木彫りの人形は、街を歩いている女子学生の皆さんにも人気でした)

映画「Beauty」の後藤監督の知事表彰祝賀会が開催されました

2009年11月24日 火曜日

本日11/24日、飯島町において「映画Beautyの製作と上映を成功させる会最終報告会および後藤俊夫映画監督県知事表彰受賞祝賀会」が行われ、父(宮下創平)とともに、出席してまいりました。

後藤俊夫監督は、伊那市出身で、現在は飯島町にお住まいですが、代表作の「マタギ」でベルリン国際映画祭ユニセフ監督賞、「イタズ」では文化庁芸術作品賞を受賞するなど、名作を作り続けてこられました。

平成11年には伊那谷における「すがれ追い」(地蜂に綿などの印をつけて追いかけて巣を見つけ、掘り出して庭などで大きくし、その後蜂の子を調理して食べます)を題材に、「こむぎいろの天使 ─ すがれ追い」を製作されました。

この映画も、上伊那を中心とした素晴らしい自然と人々のふれあいが描かれた素晴らしい作品であり、インド国際映画祭では「シルバーエレファント賞」を受賞しました。

その後藤監督が、伊那谷において220年余りの歴史を持つ農村歌舞伎(現在、大鹿村、伊那市長谷、下條村において継承されています)を題材として、戦争に翻弄されながらも伝統芸能に打ち込む若者や地域の人々の生き方を描いたのが、映画「Beauty」です。

製作にあたり、平成17年に「製作・上映を成功させる会」が伊那谷で結成され、父(宮下創平)が会長に就任しました。「成功させる会」には、その後1年間に地域の企業や個人の皆さまから多くの寄付が寄せられ、製作の大きな支えとなりました。

うれしいことに、本年6月11日、後藤監督の長年にわたる芸術文化活動の功績が認められ、村井長野県知事から栄えある長野県知事表彰を授与されました。

その後6月19日から28日まで行われたモスクワ国際映画祭には、全世界から500本を超える作品が寄せられましたが、その中で「Beauty」はメインのコンペ部門の16作品の一つとしてノミネートされるなど、高い評価を受けました。

本日の祝賀会には、「成功させる会」のメンバーを始め、伊那谷の市町村長さんたち(エキストラで出演された方も多くいらっしゃいます)など、映画を支えた方々が多く出席され、楽しいひと時となりました。

ふるさとの自然や伝統文化、人情の素晴らしさを映画を通して世界に発信してくださっている後藤監督のますますのご活躍を期待したいと思います。

(祝賀会では、私もお祝いのご挨拶をさせていただきました)

(祝宴の合間に、後藤監督と記念撮影)

各地のお祭りで地域パワーを実感

2009年11月22日 日曜日

11/22(日)は、飯田市内や阿南町、泰阜村などをお訪ねしました。

飯田市伊賀良の公民館では、体育館なども利用して、大規模な文化祭が開催されていました。新型インフルエンザの心配もあり、開催するかどうかの検討も行われたそうですが、「やはり開催してよかった」と公民館長さんも語っておられました。体育館の壁いっぱいに展示された小学生の皆さんの作品は、どれもパワーにあふれていて、とても印象的でした。

外では、地震の揺れを体験できる車で、阪神淡路大震災、中越地震、関東大震災の揺れを体験しました。特に、関東大震災の激しさと100秒を超える長さは衝撃的でした。この規模の地震が今起こったらと思うと、恐ろしいです。改めて、住宅や学校の耐震化、家の中の家具の固定の重要性を実感しました。

飯田市松尾毛賀分館の文化祭では、絵画や写真、手芸作品や地元の金属加工の会社のつくれらた銅製の折りヅル、また、すばらしいヒョウタンの細工などに感銘を受けました。とてもおいしい豚汁も頂きました。

飯田市尾小野子では、「クラインガルテン収穫祭」に参加させていただきました。クラインガルテンは、約8年前に5戸のいわば「農地付きの別荘」が建てられ、年間契約で全国各地の方が借り、週末や休日を利用して野菜作りなど農業を実践してもらい、都市と地域の交流にもつなげていこうとはじまったものです。3年ほど前に、さらに5戸が建てられ、現在は10戸になっています。
埼玉県や、兵庫県など、遠くから通っている方々もいて、驚きましたが、皆さんは口々にこの地の素晴らしさを語っておられました。ことしの新米で手作りされた五平もちも最高でした。

阿南町新野の道の駅では、「御鍬まつり」豊年祭を拝見しました。この祭りは、祭りの保存会「御鍬大明神伝承会」が中心となって、地元の小中学校の生徒さん達が鍬をもって踊るもので、獅子舞やお囃子もすばらしかったです。御鍬祭りは300年前に伊勢から農民の守護神を招きはじまったそうですが、豊年の年に感謝をこめて行われてきたものを、2006年からは毎年開催することにしたそうです。地元の子供たちがこうした地域の伝統を守ってくれているのは、本当に素晴らしいことだと思います。

泰阜村では、公民館芸能発表会で、地域の皆さまの書や生け花などを拝見したあと、地元の「鳴神太鼓」の皆様方の演奏を堪能しました。「鳴神賛歌」という三部作の大作でしたが、春、夏、秋それぞれの情景を力強く豊かに表現した名演奏でした。

改めて、各地の皆さんが地元を愛し、伝統を受け継ぎ発展させている姿に感動した一日でした。

(小学生の皆さんの力作です)

(地震の怖さを身をもって体験しました)



(素晴らしい作品を前にして、いろいろなお話を伺いました)

(クラインガルテンの建物をバックに記念撮影)



(御鍬まつりで大活躍の子どもさんたちです)



(熱気あふれる鳴神太鼓の皆さんです)