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年金記録をきちんと管理するためには、社会保険庁の解体が必要

2008年10月20日 月曜日

年金記録の問題では、社会保険庁における年金データの扱いが杜撰であったことにより、多くの皆様にご迷惑をおかけする事態となっています。私も、政府・与党の一員として、皆様に心からお詫びを申し上げなければなりません。

同時に、一日も早く正確な年金記録に基づいた年金の支払いが行われるようにする努力こそが重要であると考えます。そのためにも、まず年金特別便によるチェックを皆様方にお願いするとともに、標準報酬月額の改ざん問題については、訪問による聞き取り調査など、正しい記録の確定に向けた作業が急務です。

その上で、二度とこのような不正が行われない体制を整備していくことが大切です。 昨年の問題発覚以来、年金記録問題の原因究明をする過程で、社会保険庁の組織的な問題点が次々と明らかになってきました。特に、本来認められていない専従での労働組合活動(いわゆる「ヤミ専従」)によって、給与が不正に支給されたいた問題では、すでに判明した30人に対して処分と給与の返還請求が行われるとともに、刑事告発についても検討中となっています。

また、標準報酬月額の改ざん問題では、保険料の徴収率をあげるために、企業の従業員の給与水準を低く改ざんし、それによって少ない保険料にも関わらず満額納入の形を偽装するということにより、国民の年金受給額が減ってしまう場合がでてきたという点でより深刻な犯罪行為が行われたと言わざるをえません。

こうした記録を正しいものにしていく努力と同時に、このような「自らの利益のためには国民の利益を省みない人たち」を重要な国民の年金記録処理の場から退場してもらうことがどうしても必要です。

政府与党は昨年の通常国会を延長し、社会保険庁を解体し、平成22年1月に日本年金機構を設立するための法案を成立させました。これにより、従来の社会保険庁の仕事を分割整理し、厚生労働省が引き継ぐもの、民間に委託するもの、新たな組織に引き継ぐものに分かれることになります。その際、日本年金機構での人材採用に当たっては、過去に懲戒処分を受けた人は一切採用しないということにしています。さらに、自民党として、改ざん行為などに関わった人も、また将来不正が判明した人も、新機構には入れないという議員立法を準備しています。

これに対し、民主党は社会保険庁を解体せずに、国税庁と一緒にして、新たに「歳入庁」をつくるという主張をしています。さらに民主党案では、懲戒処分を受けた職員であってもクビにできないこととなっており、公務員として守られる仕組みになっています

どちらが望ましいかは、明らかです。私は、二度と公務員による不正を許さない、という強い決意でこれからの年金改革に臨むことが必要であると考えています。

小沢代表の農産物貿易自由化論では日本農業が崩壊する

2008年10月20日 月曜日

前回のブログで述べたとおり、今こそ日本の農業・農地を守り育てることが大切です。こうした観点から、政府・与党は一体となって農産物貿易の国際交渉にあたっても、米や乳製品、砂糖などの重要品目を関税措置によってしっかりと守っていくことが重要であるという主張を貫いてきました。

一方、民主党の小沢代表は、公の会合で、

「自由トレード、自由貿易協定を私はどことでもやれという主張であります。それによって市場価格が国内生産費よりも下がった場合に不足分を払うというのが我々の考えです。」

と述べるなど、一貫して農産物の輸入の自由化の必要性を訴えています。

確かに、農産物を自由化すれば、食料品価格が下がることになり、消費者の立場からすればありがたい面もあります。
しかし、これでは、日本の農業は崩壊し、食糧危機にも対応ができなくなってしまいます。

例えば、60キロあたり1万8000円で売れていた米が、カリフォルニア米などの輸入によって3000円になってしまうことも考えられます。生産費を仮に1万2000円だとしますと、民主党の政策では差額の9000円が支払われますが、農家の手取りは生産費と同額の1万2000円となってしまい、これまでの手取り1万8000円から大幅な減収となってしまいます。これでは、本当の意味での所得保障にはならず、単なる経費補填に過ぎません。

さらに問題なのは、努力して消費者から評価されるおいしいお米をつくっても、高く買ってもらうことができず、経費分しか得られないという点です。これでは、工夫してよい農産物を生産し、所得も増加させていこうという夢は実現できません。

第一、生産コストが全く異なる低価格の農産物を自由に輸入することになれば、国内農産物の消費が落ち込み、国内農業の衰退や農地の荒廃を招くのは火を見るより明らかなことです。
かつて、日本は戦後に大量の住宅建設を行う必要から、木材輸入の自由化を行いました。これにより、国内の木材産業は窮地に追い込まれました。
林業は、外在価格の高騰や、戦後植林した木材が伐期を迎えることにより、復活の兆しが見えてきていますが、農業の場合、一度荒れた農地は復元がほとんど不可能です。

また、WTOなどの国際交渉の場で関税の撤廃を一度表明したら、これを復活することは、まず不可能です。

これらのことを考えれば、小沢代表の農産物貿易自由化論がいかに危険なものであるかがおわかりいただけると思います。
民主党の「農業者戸別所得補償制度に1兆円」では、農業の明るい未来は描けないのです。

いまこそ全ての農地を有効活用して自給率の向上を

2008年10月20日 月曜日

地球温暖化影響もあり、世界の各地で旱魃や豪雨、海面上昇などにより農地が甚大な被害を受け、十数カ国が食料の輸出禁止措置をとるに至っています。
一方、我が国では戦後の食生活の変化により、一貫してカロリーベースでみた食料自給率は低下し、現在では40%となっています。

現在私は、自由民主党の農林部会長代理という立場で、農業政策の立案にも関わらせていただいておりますが、自民党は前述のような状況を受け、「今こそ日本の農地と農業をまもることが必要」との観点から、以下に記した政策を発表いたしました。

これにより、今年の米価をしっかりと維持するとともに、豊作により発生した余剰米も従来よりも市場価格に近い値で買い上げることができます。

また、減反により遊休農地となっていた水田に水稲を植えることにより、米粉や飼料としての活用の道を開き、食料自給率を50%向かって高めていくことができます。
同時に、配合飼料価格の高騰で苦しむ畜産・酪農家の皆様に飼料を安く提供することができます。

すべての農地を生かし、維持していくことで、万一世界的な食糧危機の時を迎えても、米や芋の増産などを通じて、日本国民一日一人あたり2000Kcalの食料を供給することが可能になります。

担い手についても、従来の耕作面積による制限を緩和し、本気で農業に取り組む皆様に支援ができるようになります。

私は、今こそ、こうした施策を活用しながら、国民皆で農業と農地を守っていくことが必要であると感じています。
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平成二十年九月二十四日

自由民主党  政務調査会
総合農政調査会
農業基本政策委員会
農林部会

日本農政は、自民党にお任せください
自民党は、次に掲げる事項を約束し、本年度から必ず実行します。


一、過剰米は発生させません。

過剰作付けや作況良により、余剰米が10万トン程度発生すると見込まれます。この10万トンについて集荷円滑化事業が発動される場合、地域の実勢価格にあわせ一俵60キログラム当たり7千円に対し、5千円以上を国庫で上乗せします。
二、肥料・燃油高騰対策で、価格上昇分を最終的に90%補助します。

価格上昇分のうち、最終的には、国が70%の補助とし、さらに農業団体等のこれまでの自助努力に加え、最終的には、約90%の補助を確保します。
飼料については、二次にわたる畜産・酪農対策を実施していますが、引き続き価格の推移を見つつ機動的に対応します。
三、生産調整協力者に報います。

正直者に報いるために、生産調整に協力いただいた方には、コメの作付面積10アール当たり3千円の転作促進協力金を支払います。
四、水田に作付けする米粉用米・飼料米に対し、毎年、全員に、10アール当たり5万5千円を交付します。

また、耕畜連携により稲わら利用等に取り組む方には、10アール当たり1万3千円を上乗せいたします。
五、水田の二毛作で米粉用米・飼料米と小麦を作付ける場合には、合計で10アール当たり11万円を交付します。
六、面積要件は、市町村独自の判断に変更しました。特に小規模・高齢農家に対して、市町村が認めた農業者であれば、面積にかかわらず、経営所得対策の対象にします。
七、耕作放棄地を解消し、食料自給率向上に全力を挙げます。

八、コメの流通にメスを入れ、不正流通を徹底して防止します。

以上
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安易なガソリン減税で地域発展の未来が閉ざされる

2008年10月20日 月曜日

今年の4月、ガソリンが一月だけ安くなるという異常事態が起こりました。
確かに、安くガソリンが買えるのはありがたいことではありますが、これにより、多くのガソリンスタンドが大きな損害を受け、県や市町村も、国からの交付金の見通しが立たないため、事業の一時中止などを行い、景気にも悪影響がでました。

この地方の財源不足については、この臨時国会で国から地方へ補填するための法律をつくり対応しましたが、そもそもこのような異常事態に陥ったのは、参議院の運営の実験を握る民主党が本年の三月中に一時間も税制についての法律審議を行わず、ガソリンについての税金の期限が一時切れてしまったことが原因でした。

民主党は、先に発表した政策において、この25円10銭の税金を廃止するとしていますが、これによって、1.7兆円の国の税収が失われることになります。
これを示したのが下の図です。





先に発表した民主党の主張では、「直轄事業の半減」としていますが、実際には0.4兆円しか使える予算が残らないことになります。
この金額は、ちょうど国道の除雪や維持管理に必要な金額とほぼ同じです。

つまり、新規事業の凍結だけでなく、従来から進めている継続事業も全てストップせざるをえません。
すなわち、伊那谷においては、伊南バイパスや、三遠南信自動車道の整備がすべて中止となることを意味します。

日本全体でも、都市間を結ぶ地域高規格道路や、バイパスなど、地域経済の活性化に資する道路が整備できなくなります。

これから、年金や医療、介護や障害者福祉などの分野で2025までにさらに50兆円もの財政支出が必要となることを考えると、日本全国の地域を活性化し、諸産業の成長力を高めることがどうしても必要です。しかし、そのための貴重な財源が失われれば、地域の発展の夢も、安心できる安全保障の実現も不可能となってしまうのです。

私は、「伊那谷から日本を元気に」をスローガンに、地域活性化に取り組む決意です。そのためにも、地域発展のための貴重な財源確保にご理解をお願いしたいと思います。

(最近、ガソリン価格もだいぶ下がってきました。これは、世界の景気減速の影響もありますが、本年のサミットを契機として世界各国が投機資金による不当な価格操作をなくしていこうとする取り組みを行っていることも利いていると思います。さらに、石油に頼らずに、省エネと経済発展を両立する取り組みを中国、インドなど新興国においても進めていくことが価格引下げに大切だと考えます。)