日本の高齢化の急速な進展に伴い、社会保障給付が今後さらに急激に増加する見通しとなっています。
後期高齢者医療制度は、このうち特に増加額の大きい75歳以上の方々の医療費を、皆で公平に支える仕組みとして創設されました。
具体的には、国と地方の税金で5割、現役世代からの支援で4割、高齢者ご自身の保険料で1割を負担するものです。
これにより、世界に誇れる日本の医療制度を維持していくことが可能になります。
また、これまでの市町村の国民健康保険制度では、高齢化が進む中山間地などの小規模の自治体に住む方の負担が大きく、保険料の安い地域に住む方との保険料の差は、5倍にもなっていましたが、
長寿医療制度のスタートによって、運営が都道府県単位になることにより、例えば長野県内にお住まいの方であれば、同じ収入の方は同じ保険料となり、より公平な制度となりました。
これにより、全国の保険料格差は2倍以内に収まることになりました。
さらに、所得と負担のあり方を見直し、所得の低い7割の世帯の方々には、これまでより保険料を安くするような改革も行っています。
したがって、もし野党の主張通りこの制度を廃止してしまえば、
・7割程度の世帯の方々の保険料負担が増加するとともに、中山間地でがんばっていてくださる高齢者の皆さんの負担が一気に増えることになります。
・また、運営責任が不明確になり、現役世代の負担がさらに増えることになります。これでは、少子化がさらに加速することにもなりかねません。
なお、年金天引きなどについてのご批判に答え、6月12日に次のような改革が決定されています。
1.保険料の年金からの天引きについては、これまで2年間払い漏れがなかった方などは、お申し出により、銀行口座からの振り替えに変更が可能となりました。
2.所得の低い方への配慮として、保険料(均等割)の7割が軽減されている世帯のうち、高齢者全員が年金加入年額80万円以下の世帯について、今年度は85%軽減、来年度からは90%軽減となります。
今後、1年をかけて、さらにより良い制度となるよう、検討されることになっています。
私も、皆様方からのご意見を真摯に受け止め、こうした議論にも積極的に参加してまいります。
皆様からも、率直なご提言をいただければ幸いです。