今年の4月、ガソリンが一月だけ安くなるという異常事態が起こりました。
確かに、安くガソリンが買えるのはありがたいことではありますが、これにより、多くのガソリンスタンドが大きな損害を受け、県や市町村も、国からの交付金の見通しが立たないため、事業の一時中止などを行い、景気にも悪影響がでました。
この地方の財源不足については、この臨時国会で国から地方へ補填するための法律をつくり対応しましたが、そもそもこのような異常事態に陥ったのは、参議院の運営の実験を握る民主党が本年の三月中に一時間も税制についての法律審議を行わず、ガソリンについての税金の期限が一時切れてしまったことが原因でした。
民主党は、先に発表した政策において、この25円10銭の税金を廃止するとしていますが、これによって、1.7兆円の国の税収が失われることになります。
これを示したのが下の図です。
先に発表した民主党の主張では、「直轄事業の半減」としていますが、実際には0.4兆円しか使える予算が残らないことになります。
この金額は、ちょうど国道の除雪や維持管理に必要な金額とほぼ同じです。
つまり、新規事業の凍結だけでなく、従来から進めている継続事業も全てストップせざるをえません。
すなわち、伊那谷においては、伊南バイパスや、三遠南信自動車道の整備がすべて中止となることを意味します。
日本全体でも、都市間を結ぶ地域高規格道路や、バイパスなど、地域経済の活性化に資する道路が整備できなくなります。
これから、年金や医療、介護や障害者福祉などの分野で2025までにさらに50兆円もの財政支出が必要となることを考えると、日本全国の地域を活性化し、諸産業の成長力を高めることがどうしても必要です。しかし、そのための貴重な財源が失われれば、地域の発展の夢も、安心できる安全保障の実現も不可能となってしまうのです。
私は、「伊那谷から日本を元気に」をスローガンに、地域活性化に取り組む決意です。そのためにも、地域発展のための貴重な財源確保にご理解をお願いしたいと思います。
(最近、ガソリン価格もだいぶ下がってきました。これは、世界の景気減速の影響もありますが、本年のサミットを契機として世界各国が投機資金による不当な価格操作をなくしていこうとする取り組みを行っていることも利いていると思います。さらに、石油に頼らずに、省エネと経済発展を両立する取り組みを中国、インドなど新興国においても進めていくことが価格引下げに大切だと考えます。)