地球温暖化影響もあり、世界の各地で旱魃や豪雨、海面上昇などにより農地が甚大な被害を受け、十数カ国が食料の輸出禁止措置をとるに至っています。
一方、我が国では戦後の食生活の変化により、一貫してカロリーベースでみた食料自給率は低下し、現在では40%となっています。
現在私は、自由民主党の農林部会長代理という立場で、農業政策の立案にも関わらせていただいておりますが、自民党は前述のような状況を受け、「今こそ日本の農地と農業をまもることが必要」との観点から、以下に記した政策を発表いたしました。
これにより、今年の米価をしっかりと維持するとともに、豊作により発生した余剰米も従来よりも市場価格に近い値で買い上げることができます。
また、減反により遊休農地となっていた水田に水稲を植えることにより、米粉や飼料としての活用の道を開き、食料自給率を50%向かって高めていくことができます。
同時に、配合飼料価格の高騰で苦しむ畜産・酪農家の皆様に飼料を安く提供することができます。
すべての農地を生かし、維持していくことで、万一世界的な食糧危機の時を迎えても、米や芋の増産などを通じて、日本国民一日一人あたり2000Kcalの食料を供給することが可能になります。
担い手についても、従来の耕作面積による制限を緩和し、本気で農業に取り組む皆様に支援ができるようになります。
私は、今こそ、こうした施策を活用しながら、国民皆で農業と農地を守っていくことが必要であると感じています。
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平成二十年九月二十四日
自由民主党 政務調査会
総合農政調査会
農業基本政策委員会
農林部会
日本農政は、自民党にお任せください
自民党は、次に掲げる事項を約束し、本年度から必ず実行します。
記
一、過剰米は発生させません。
過剰作付けや作況良により、余剰米が10万トン程度発生すると見込まれます。この10万トンについて集荷円滑化事業が発動される場合、地域の実勢価格にあわせ一俵60キログラム当たり7千円に対し、5千円以上を国庫で上乗せします。
二、肥料・燃油高騰対策で、価格上昇分を最終的に90%補助します。
価格上昇分のうち、最終的には、国が70%の補助とし、さらに農業団体等のこれまでの自助努力に加え、最終的には、約90%の補助を確保します。
飼料については、二次にわたる畜産・酪農対策を実施していますが、引き続き価格の推移を見つつ機動的に対応します。
三、生産調整協力者に報います。
正直者に報いるために、生産調整に協力いただいた方には、コメの作付面積10アール当たり3千円の転作促進協力金を支払います。
四、水田に作付けする米粉用米・飼料米に対し、毎年、全員に、10アール当たり5万5千円を交付します。
また、耕畜連携により稲わら利用等に取り組む方には、10アール当たり1万3千円を上乗せいたします。
五、水田の二毛作で米粉用米・飼料米と小麦を作付ける場合には、合計で10アール当たり11万円を交付します。
六、面積要件は、市町村独自の判断に変更しました。特に小規模・高齢農家に対して、市町村が認めた農業者であれば、面積にかかわらず、経営所得対策の対象にします。
七、耕作放棄地を解消し、食料自給率向上に全力を挙げます。
八、コメの流通にメスを入れ、不正流通を徹底して防止します。
以上
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