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満蒙開拓歴史展、下伊那各地を訪問

2010年8月26日 木曜日

本日(8/26)は、阿智村中央公民館で開催されている「満蒙開拓歴史展」を見るとともに、実際に満蒙開拓に家族とともに加わり、帰国された方々のお話を聞く会に参加してまいりました。

牧内春重さんは、9歳の時(昭和20年3月)に父親とともに満州に渡りましたが、父親は入植後まもなく招集され、以降消息が不明となりました。中国の養父母に育てられ、中国で結婚、4人の子供に恵まれました。昭和62年に日本に永住帰国されましたが、その間のご苦労についてのお話を伺うことができました。

また、井原澄子さんは、やはり昭和20年3月に8歳のときに一家8人で満州に渡りました。平成6年に中国人のご主人とともに永住帰国。結局帰れたのはご本人を含め4人でした。

いずれも、中国人家庭の支援があってやってこれたとのお話でした。あらためて、戦時中の歴史を抱えながら生活されている方々が身近にいらっしゃることを感じました。


(満蒙開拓団には飯田下伊那から約7400名が参加、約半数がなくなっています。)


(牧内さんのお話をうかがっているところです。スタッフの予想を上回る方の参加だったそうです。)

 

講演会に引き続き、同じ公民館内で開催されていた「戦時ポスター展」を拝見しました。

このポスターは、阿智村在住の原好文さんが提供されたものですが、原さんのおじいさんで、会地村(現阿智村)の村長を務めた原弘平さんが残したものだそうです。


(「勝利だ戦費だ国債だ」と国債の購入を呼び掛けるもの、「われらの攻略目標 国民貯蓄 230億円」など、貯蓄を呼び掛けるものが多くみられました。)

 

その後、下伊那各地を訪ね、多くの皆様にお会いしてまいりました。

特に印象的だったのは、飯田花卉組合の組合長を務めておられる田中彦市さんのお話でした。

田中さんは、30年間カーネーションづくりをしていらっしゃいますが、花づくり農家の減少とともに、中国やベトナム、そしてコロンビアなどの海外からの花の輸入が増えているとのことでした。また、カーネーションの生育に最適なのは朝晩に気温が15度以下になる環境だが、温暖化により、そうした条件が整わなくなってきている。また、害虫の発生も増え、以前よりも害虫駆除の手間が増えている、とのことでした。

国際化や地球温暖化の影響がそれぞれの農家の皆様にも具体的に及んでいることを実感しました。


(田中さんがつくられた見事なカーネーションです。様々色や種類があってびっくりしました。)