8月4日は、フランスでの日程を終え、イタリアでの調査を行うため、午前中の飛行機でローマに向かいました。
お昼には、FAO本部のレストランで食事をとりながら、大使館の皆様からブリーフィングを受けました。
午後2時前からは、FAOとWHOによって設立されたコーデックス委員会のハイランド事務局長とテクニカルオフィサーのハッファーさんと懇談をしました。
コーデックス委員会は、食品安全や、製造方法、食品表示のガイドラインなどをつくる組織です。これを踏まえ、私からは、処理水放出に関し、IAEAだけでなく、コーデックス委員会としても安全性に関する発信をしてほしいとの要請をしました。
さらに、発がん性があるPAHsの含有を理由に、EUが日本からの鰹節の輸入を禁止している一方で、EU域内で製造されている鰹節については規制がない状態は科学的におかしいこと、ハムやソーセージ、スモークサーモンにもPAHsは含まれているが、通常の食べ方では鰹節の摂取量が少ないことを踏まえると、むしろリスクは少ないことを述べ、科学的な検証と基準作りを要請しました。その結果、今後、日本の消費者庁とコーデックス委員会で連絡を取りながら、検証していくこととなりました。
午後5時からは、環境・エネルギー安全保障省を訪問し、グランディ循環経済部長、EU担当のコラーディさんにお会いしました。
グランディ部長からは、イタリアにおける食品ロス削減の取り組みや制度についてご説明を頂き、特に2016年に施行された「社会的連帯と廃棄物の制限を目的とした食品及び医薬品の寄附と配布に関する規定(通称Gadda法)」の内容について質疑を行いました。
また、これに先立ち、イタリアでは2003年に食品の寄附に関し、重過失がなければ責任を問われない制度として「社会的連帯のための食料分配に関する規定(いわゆる「善きサマリア人の寄附法」)」が施行されています。
我が国においても、食品ロス削減のための寄附の促進のための体制づくりがさらに重要であることを感じました。
夜には、大使公邸で、現地情勢についてのブリーフィングを受けながら、夕食を頂きました。現在のイタリアの政権が抱える課題などについて、大局的に理解をすることができました。
FAO本部に到着時に、鈴木哲特命全権大使が迎えてくださいました。
中央がゴーデックス委員会のトム・ハイランド事務局長、その左がテクニカルオフィサーのハッファーさんです。
冒頭に、稲田朋美委員長から、訪問の趣旨などについてご挨拶がありました。
環境・エネルギー安全保障省での意見交換の様子です。
稲田朋美委員長の左がグランディ循環経済部長、右がEU担当のコラーディさんです。
イタリア大使公邸での記念写真です。