8月5日は、イタリアでの調査の2日目。
午前11時から約2時間にわたって、フードバンク団体「バンコアリメンターレ」の食品倉庫を訪問しました。
はじめに、物品の保管の状況、寄付物資の受け入れの様子、寄付物資を発送する様子などを見学し、説明を受けました。
次に、財源構成、支援先の状況、法整備の効果、今後の課題などについてお話を伺いました。
支援物資の調達は、農産物欧州支援基金とイタリア農業支援基金によって購入したものが6割で、残りが食品産業界からの加工食品などの寄附と企業の食堂などからの生鮮食料品とのことでした。
出荷先は、教会など430か所の11万人を対象としていますが、コロナとウクライナ問題で増加しており、ニーズには、完全には応えきれていないそうです。
現在9人の常勤スタッフと150人のボランティアによって活動が支えられているとのこと。
2016年の法制度により寄付金優遇税制が導入されたことにより、寄付が集めやすくなったとのこと。
今後は、デジタル技術を活用し、トレーサビリティを強化し、寄付の使い道を公表していきたいとのお話も伺いました。
日本国内でも、こうした活動を支援するための仕組みを充実させることが必要であることを感じました。
午後2時前からは、和食材をつかった料理を出されているレストラン「Osteria Fermanda」を訪問し、説明を受けながら、おいしい料理を頂くとともに、食後にお店の皆様からお話を伺いました。
魚をまいた海苔巻き、のりが練りこまれたパスタやしそや味噌をつかったパスタ、うなぎの照り焼きと梅干のゼリー、さんしょうのジェラートとゆずのかき氷など、イタリア料理と和食材が融合した新しい味を味わうことができました。
こうした料理に取り組むようになったのは、お店の方が日本に行かれて和食を食べたり、イタリアの日本大使館のイベントで味噌の使い方を学んだことなどがきっかけになっており、とくに味噌などの発酵食品に注目しているそうです。
私からは、日本として、日本の農産物や加工食品を多くの欧州の皆さんに届けたいと考えているので、これからも日本の食材の輸入業者の皆様などとも連携し、新しい料理にぜひ取り組んでくださいと、お願いをしました。
フードバンク団体「バンコアリメンターレ」の倉庫で説明を受けているところです。
ちょうど、Amazonから、賞味期限が近付いた食品が寄付として届きました。
私たちから、様々な質問を行い、回答を頂きました。
質疑の後で、皆様と記念撮影をしました。スクリーンに映っているのは、フードバンクの事務局長で、欧州フードバンク連盟の理事もされているマルコルさんです。
イタリア料理と和食の素材が融合した新しい味の世界を堪能しました。
食後にオーナーやシェフと意見交換をしているところです。
最後に、お店の皆様と記念撮影をしました。