本日(9/3)は、上伊那の支援者の皆様を訪問し、懇談させて頂きました。
南信病院の近藤先生からは、精神科の病院の課題や看護師不足への対応などについて貴重なお話を伺うことができました。
お話の中で特に印象に残ったのは、
1.不況になると、精神科の外来患者は増加するが、入院費用の負担を回避するために入院する人は減る。
2.精神科の全国の入院患者の平均日数は400日前後だが、南信病院では、改築の際に治療効果を最大限に考えた建物にするとともに、最適な治療を行うことによって、平均130日前後で退院している。このため、経営的にはむしろ苦しいのが現状。
3.これまで、医療費抑制の観点から、ベッド数を減らしたり、長期入院に対する診療報酬を減らすことが行われてきているが、退院を急いで再発を招くなどの弊害もある。また、退院した患者が老健施設などに入ることも多いが、スタッフに精神科の患者への対応経験がないと、問題が起こることも多い。
4.現在、年間の自殺者は約3万人だが、精神科の治療によってこの数に抑制されているという面もある。
5.現在、高齢の親の死を何十年も隠すという事件が明らかになっているが、そうした人は精神を病んでいる場合が多いと感じる。
6.看護師の配置を厚くした方が、病院の経営が楽になるため、大病院や地域の中核病院が高給で看護師を集める例が多くなっており、これが一般病院の看護師不足を加速させている。
7.以前は、地元の看護専門学校に地元出身者が入学し、大半の卒業生が地元の医療機関で働いていたが、駒ヶ根の看護大学設立に伴い廃止され、これによって地元で働く看護師はごく一部になってしまった。再度、看護専門学校の設立をすべきである。
などの点でした。
特に、看護専門学校設立の必要性については、先生から「南信地区の看護師養成を考える」(kangoshi1)と、「看護専門学校(3年制)設立要望理由)」(kangoshi2)の文書を頂きました。(pdfファイルとなっていますので、ご参照ください。)
近藤先生のお話を伺い、様々な課題について認識を深めることができました。「こうした課題を一つ一つ解決するためにも、がんばらなければならない。」という思いを強くしました。
(近藤先生には、お忙しい中、貴重なお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。)