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宮下 一郎

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原子力発電所立地地域に関するPTでニセコヒラフ地区、泊原発を視察、周辺地域の皆様と意見交換

2013年9月10日

9月10日は、倶知安町(くっちゃんちょう)のホテルで目覚めると、窓から羊蹄山の雄々しい姿を見ることができました。ホテル近くの倶知安駅に新聞を買いに行ったところ、地元の物産を紹介するショーケースの中に倶知安町のキャラクター「じゃが太」君を発見しました。


今日は、午前8時50分にホテルを出発し、まず、バスでニセコヒラフ地区の観光開発の現状を見に行きました。現地では、倶知安観光協会の本田哲会長にご案内を頂きました。

ヒラフリゾート地区では、オーストラリア人のロス・フィンドレー氏が1994年にニセコアドベンチャーセンター(NAC)を設立し、冬のスキーに加え夏のラフティングなどの体験観光のセンターを開設したことをきっかけとして、オーストラリアからの観光客が増え、次第に他の国からの外国人観光客も増えていったそうです。

ニセコのパウダースノーや夏の涼しさ、安心な食材などが評価され、最近では、香港、シンガポール、マレーシア、インド等の資本家が土地を買ってコンドミニアムを建設、現在380棟、3500ベッドはすべて外資によるものとのことです。

この10年間の投資額は約246億円とされており、東日本大震災までは、3年連続で地価上昇日本一だったとのこと。現在はひと坪70万円前後ですが、ピークでは坪120万円もしたそうです。

コンドミニアムは高額物件が多く、1億円以上のコンドミニアムも多いそうです。見学させていただいたメゾネット方式の部屋は、買うと約6500万円、現在は持ち主が1カ月30万円で貸し出しているとのことでした。

さらに、今後香港資本により1万4千ベッド分の開発が予定されているそうです。当地域の不動産会社25社中13社はオーストラリア資本とのこと。海外の富裕層のパワーと、観光立国の可能性を感じた視察でした。


その後、北海道電力泊原子力発電所を視察しました。10時15分ごろ、原子力PRセンター「とまりん館」に到着、北海道電力のバスに乗り換えて、防潮堤のかさ上げ工事の現状を視察しました。泊原発は海抜約10メートルに立地しており、現在の安全基準をクリアーしていますが、15メートルの津波にも耐えられるよう、自主的に6.5メートルの防潮堤を造成しています。来年12月には全体が完成するとのことでした。

次に、PRセンターで作業服・ヘルメットに着替え、1号機のタービン建屋や緊急時の補助給水ポンプなどを見学するとともに、万一の場合の浸水時に備えた設備などについて説明を受けました。電源を多重に確保したり、高台からの注水・冷却をする構造等、福島第一原発事故を踏まえ、安全に配慮した対策が行われていることを感じました。


午後2時半からは、小樽市内のホテルで、泊原発のある後志(しりべし)地域の内、昨日出席頂いた立地4町村以外の周辺16市町村の皆様にご出席いただき、意見交換会が開催されました。

原子力発電所立地地域に関するPT座長の宮路和明先生のご挨拶に引き続き、私も経済産業部会長としてご挨拶を申し上げました。

長谷川学PT事務局長より本PTの目的などについて説明を頂いた後、出席された皆様からご意見を伺いました。

皆様からは、
「安全が第一だが、電気料金の値上げに苦慮している。安全が確認されたら早期の再稼働をお願いしたい。同時に再生エネルギーの推進もお願いしたい。」
「福島第一原発問題解決のために、国が全力を挙げてほしい。放射性廃棄物処理についても技術の粋を集めてほしい。」
「原子力防災計画や避難計画の策定・実施に努力している。周辺地域の不安に目を向けて振興に配慮してほしい。」
「新たな避難路確保のためにも、北海道横断自動車道の早期整備をお願いしたい。」
など、様々なご意見やご要望を頂きました。

宮路座長から各要望についてのコメントが頂き、引き続き、私からも、「電力の安価・安定供給のために当面は原発再稼働が大切だが、LNG調達先の多様化やメタンハイドレートなどの資源開発にも取り組んでいくことが重要。また電力システム改革を再生エネルギーの推進や、ピークカットによる総需要抑制にもつなげていくことが大切。さらに地球温暖化防止のためにも、CCSなど、二酸化炭素排出抑制技術を開発するとともに、放射性廃棄物処理の研究も必要。こうした様々な課題にしっかりと取り組んでまいります。」とのご挨拶を申し上げました。

意見交換会の後、新千歳空港から羽田空港に向かい、視察の旅を終えました。泊原発の安全対策の現状や後志(しりべし)地域の魅力や課題を実感することができた有意義な視察でした。


(ホテルの部屋から撮影した羊蹄山(1898メートル)です。雄大な山ですね。)


(倶知安駅で見つけた倶知安町のキャラクター「じゃが太」君です。かわいいですね。)


(ヒラフリゾート地区の高台から羊蹄山をバックに記念撮影。いちばん右が、ご案内頂いた倶知安観光協会の本田哲会長です。)


(コンドミニアムを開発・管理されている会社の大久保稔副社長(左から3人目)のご厚意でメゾネットタイプの部屋を見せて頂きました。)


(コンドミニアムのテラスからは羊蹄山がよく見えます。屋外にジャグジーバスも設置されていました。)


(北海道電力泊原子力発電所の防潮堤の基礎工事の様子です。多くのクレーンによる作業が行われていました。)


(泊原発1号機に入る前に作業着に着替えました。カメラ、携帯などは持ち込み禁止です。)


(小樽市に向かう途中に撮影した風景です。青い空、白い雲、緑の山と黄金色の田圃のコントラストがきれいでした。)


(小樽市内の運河と倉庫が連なるあたりは、多くの観光客の皆さんで賑わっていました。)


(周辺地域の皆様との意見交換会には、地元から45名の皆さんがご参加くださいました。)


(経済産業部会長として、ご挨拶を申し上げました。)


(意見交換会を終え、空港に向かう高速道路で見た風景です。雲の合間からの日の光がドラマチックでした。)


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  • 宮下 一郎(みやした いちろう)
    昭和33年8月1日生まれ。妻、長女、長男との4人家族。
    趣味は手品(子どもの頃からの趣味でレパートリーは百数十種類に及ぶ)
    写真撮影 (家族写真、特に子どもの写真を多く撮影)
    映画鑑賞(高校時代には映画制作に熱中。黒澤明監督作品のファン)
    座右の銘は 「誠実」「着眼大局 着手小局 (Think globally, Act locally)」

  • 略 歴

    昭和58年東京大学経済学部卒 住友銀行入行
    平成3~8年大臣秘書官(防衛庁、環境庁、厚生省)
    平成15年衆院議員初当選
    平成19年財務大臣政務官
    平成24年自民党経済産業部会長
    平成26年財務副大臣
    平成28年衆議院財務金融委員長
    令和元年内閣府副大臣
    令和2年自民党農林部会長
    令和5年農林水産大臣
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