本日(2/2)は、長野県中小企業団体中央会上伊那支部主催の新春経済講演会と懇談会に出席しました。
講演会の講師は、福井県立大学経済学部特任教授で経済評論家の中沢孝夫先生です。「中小企業の活性化と地域経済」のテーマで、大変示唆に富むお話をお聞きすることができました。
特に印象に残った言葉は、
・企業の目的は顧客を創造することである。
・会社とは、付加価値をつくるところである。
・人間のみが付加価値をつくることができる。
・「人を大事にする」ということは、「成長意欲のある人に、頑張る目標、条件を用意すること。」
・海外展開している会社ほど国内もうまくいっている例が多い。ただし、日本で駄目だからと外国へいったところは皆ダメ。
・スマートフォンにおけるカメラや携帯、パソコンの融合のように境界の無い商品が多くなっている。この分野では技術よりも、組み合わせるアイデアや応用力、マネジメント能力が大切。
・イノベーションには、「主要な仕事をどう改革するのか」と「新しい仕事をどうやってつくるか」の両面がある。
・新たな付加価値は豊かなところで生まれる。新興国では従来技術の応用で対応できる。
・地域の概念を海外まで広げ、どんどん外を見に行った方がよい。
・個人商店は、地域に根をはった植物のようなもの。大型店と違い、移転はなかなかできない。その場合、周りの人口を増やす工夫が大切。
・「あの店にあるものは大丈夫」「あの会社の品質管理はきちんとしている」など、ブランド化していくことが大事。ブランドを意識的につくっていくことにより、地域も継続する。
などでした。
講演の後、私も、「政治に求められているのは、企業が地域に根差した活動やグローバルな業務を行うのに必要な法律・税制・規制緩和などの整備を行うとともに、将来ビジョンや方向性をしっかりと示すことではないか。」との趣旨でコメントをさせて頂きました。
懇親会では、多くの皆様から、「現在の政権には怒りを覚える。是非、まともな政治の実現のために頑張ってほしい」とのご意見を頂きました。ご期待に添えるよう、頑張ってまいる決意です。
(我が国が目指すべき社会像についても、お話をさせて頂きました。)
夜には、伊那異業種交流研究会第1グループの例会に出席しお二人の方の話をお聞きしました。
まず、メンバーの一人である東京海上日動火災保険株式会社の平澤宏基さんから、最近の損害保険における変化やこれから目指すべき方向などについてお話をお聞きしました。
特に、「これまでの保険は、事故で生じた損失の補償が中心だったが、これからは、事故を発生させない工夫や損害の極小化、早く原状復帰を図ることが求められる時代になる。」という話はたいへん興味深いものでした。
次に、天恵製菓株式会社の片桐義宣社長から、創業以来のあゆみ、経営理念などについて伺いました。
天恵製菓の半生菓子(最中やミニどら焼き、マシュマロ菓子など)は、全国のコンビニやスーパーに出荷され、年商は2000年ごろの約20億円から大きく増加し、現在は約40億円となっています。
私自身も、豊丘村の天恵製菓の工場には何度も伺い、工場見学などもさせて頂いています。また、天恵製菓の皆様には、会社を上げて応援を頂いており、感謝のほかありません。
伊那谷に根差し、全国で愛される商品を作り続ける天恵製菓のような企業が増えてくれることが、地域の中長期的な発展には欠かせません。こうした皆様のご意見をしっかりと受け止めて活動をしていきたいと思います。
(片桐社長は、公認会計士として活躍された経歴もお持ちです。2009年5月に社長に就任されました。)
(会の最後に全員で記念撮影。2列目の左端が損害保険のお話をして下さった平澤宏基さんです。)