7月14日は、「優れた医療機器を国民に迅速かつ安全に届けるための議員連盟」の視察に参加しました。
参加したのは、竹本直一先生、上川陽子先生、奥野信亮先生、葉梨康弘先生、赤枝恒雄先生、小松裕先生、桜井宏先生、白須賀貴樹先生、山田美樹先生、豊田真由子先生、私の11名の衆議院議員と、藤井基之先生、島村大先生、羽生田俊先生の3名の参議院議員です。
午前8時半に衆議院議員第一議員会館をバスで出発、午前9時半に八王子市石川町の「オリンパス技術開発センター 石川」を訪問しました。
オリンパスの売上高構成比は内視鏡などの医療事業が69%、顕微鏡などの科学事業が14%、デジタルカメラ等の映像事業が14%などとなっており、仕向け地別では国内向けが24%、海外向けが76%となっています。
また、現状の製品の生産比率は国内が7割、海外が3割であり、特に、国内生産のものについては、部品はほぼ全て国内企業からの調達とのことでした。
概要説明の後、内視鏡の実物の操作体験や、3D画像を見ながら鉗子を操作して糸を縫う外科手術の体験、超音波と電極を組み合わせ、血管の切り口を接合しながら切断することができる器具の切断体験などをすることができました。
様々な機器の開発が、患者の負担が少ない手術の実現や、医師の診断や手術のサポートにつながることを身をもって学ぶことができました。
午後1時には、新宿区にある「TWIns (東京女子医科大学・早稲田大学連携 先端生命医科学センター」を訪問しました。
この施設は、先端医療機器の開発環境の整備などを目的として設立され、様々な研究が進められています。
はじめに、共同先端生命医科学専攻長の梅津光生先生をはじめとする先生方から、施設の成り立ちや様々な研究の概要についてのご説明を頂き、引き続いて、実際の研究室を見学しました。
特に印象的だったのは、ブタなどの動物由来の組織(腱や大動脈弁など)の細胞の核を取り除き、無細胞化した組織を移植することにより、人工物の移植の場合に必要となる血液凝固を抑制する薬剤投与が必要無くなるとともに、移植後に事故細胞が入り込み、自己治癒能力で自己組織化するという研究でした。
また、人工心臓関係の研究では、埋め込み機器の金属表面を網目状にすることにより、生体組織が覆うようになり、血栓の発生を抑制する研究や、様々な構造の人工心臓の性能比較をするための評価方法確立の研究なども見学させて頂きました。
医工連携に本気で取り組んでいる研究の数々に感銘を受けました。当センターから日本初の研究成果が多く生まれ、様々な技術や機器の開発や、治療成績の向上につながることを大いに期待したいと思います。
(オリンパス技術開発センター到着後、展示機器の前で全員で記念撮影をしました。)
(初めに、オリンパスにおける製品開発の取り組みなどについて説明を受けました。)
(これは、内視鏡から照射する光の波長を限定することにより、血管が集まるガンを見つけやすくする画像技術の説明です。)
(実際に内視鏡を操作して、先端が手元の操作で前後左右に曲がること、鮮明な画像が見れることなどを確認することができました。)
(内視鏡が体内でどのように機能しているかがわかる人体模型での展示です。)
(血管などを挟む鉗子は、マジックハンドのように手元を操作することにより開閉ができます。)
(先端に二つの撮像素子をつけた内視鏡で立体視しながら鉗子を操作して針をつかみ、組織を縫う体験をしました。立体視できると前後関係がよくわかるため、鉗子の操作がより楽にできました。)
(TWInsでは、はじめに梅津光生先生から、医工連携の研究をすることとなった経緯などについてお話を伺いました。)
(無細胞化した組織を移植することにより、自己治癒能力で自己組織化するという研究の概要です。)
(左側の金属の箱が、動物の細胞組織から核を取り除くための装置です。)
(体外から超音波のエネルギーを病変幹部に集中して当てて治療する機器の研究開発もされていました。)
(最後に、参加議員とTWInsの先生方とで記念撮影を行いました。先生方には、貴重な研究をお見せ頂き、誠にありがとうございました。)