9月27日は、衆議院経済産業委員会の委員派遣の2日目。朝7時45分に熊本駅近くのホテルを出発し、徒歩で駅まで移動、午前8時過ぎの九州新幹線で出水駅に向かいしました。
午前8時45分ごろバスで出水駅を出発、午前9時半過ぎに鹿児島県出水郡長島町の長島風力発電所に到着しました。
この発電所には、出力2400kWの風力発電機が21基あり、合計出力50400kWは、国内5番目の規模だそうです。
平成14年度に風況調査を開始、平成17年に工事着手し、平成20年10月から運転を開始しています。風車の設置場所決定の際には、毎年10月中旬から翌3月頃にかけて約1万羽の鶴が越冬することに配慮し、飛行ルートにかかると予想される4基を南に移したそうです。これまでに鶴が衝突した例はないとのこと。
風車は、70メートルのタワーに直径92メートルの羽が設置されており、羽が最も高いところを通過する際には、高さが116メートルになります。
発電を行うには毎秒3.5メートル以上の風速が必要であり、それ以上では発電量が徐々に増加し、12.5~25メートルで2400kWの定格出力になるそうです。一方、25メートル以上の強風時には、羽の角度を調整し、発電を停止するとのこと。
本日は約12メートルの風が吹いており、ほぼ定格出力が出ているとのことでした。タワーの足元に行ってみると、羽の先が音をたててかなりのスピードで移動しているのを実感することができました。
発電の実績は、年間平均で9350万kWhで、一般家庭約3万世帯分の電気を発電しているそうです。故障・点検を差し引いた稼働率は95パーセントですが、風の吹く量は変動があるため、年間発電可能な最大出力に対して実際の発電量は約21%とのことです。
九州電力・九電工では、平成31年度の運転開始をめざして、宮崎県串間市で約60000kWの出力の風力発電を計画されています。
今後の課題としては、出力変動の大きい風力発電や太陽光発電の電力を系統につなぐため、蓄電池などによる安定化対策が重要とのことでした。
10時15分ごろにバスで長島町を出発し、薩摩川内市に向かいました。途中、「道の駅 黒之瀬戸だんだん市場」で休憩し、地元産の果物や伊勢エビ、貝などを見ました。素晴らしい天気に恵まれ、空と海の素晴らしい風景も満喫することができました。
午前11時半には川内原子力発電所の原子力訓練センターに到着、まず昼食を頂きながら、地震や津波の規模とリスクをどのように算定し、それに対してどのような安全対策を講じているか、説明をお聞きしました。
川内原子力発電所は、89万kWの出力の原子力発電機が2機あり、平成14年から運転を開始したそうです。
説明を聞いた後、バスで構内を回りながら、移動式大容量ポンプ車、直流電源用発電機、免震重要棟建設予定地などを見せて頂きました。
途中、バスをおりてタービン建屋や中央制御室、外部電源との接続などを制御する安全補機開閉器室などを見学しました。
その後、原子力訓練センターに戻り、中央制御室と全く同じつくりの部屋で行う訓練を見学しました。地震発生により、全交流電源が喪失した場合の対応について、担当者の皆さんがどのように行動するのかを見ることができ、勉強になると同時に、大変頼もしく感じました。
最後に、約15分にわたり質疑応答があり、私からはミサイル攻撃があった場合や故意の飛行機の突入時の対応などについて質問をしました。様々なリスクに対し、多重に対応できるような準備がなされていることを感じました。
午後2時過ぎに川内原子力発電所を出発し、午後4時に鹿児島空港に到着、午後4時50分の飛行機で羽田に向かい、午後6時過ぎに到着しました。
2日間にわたり、九州電力の発電事業の取り組みや、海外展開に向けて頑張る企業の皆様の取り組みを知ることができ、大変充実した視察でした。
(新幹線の中から見た熊本市周辺の風景です。広々とした農地が印象的でした。)
(長島風力発電所に到着後、視察メンバーで記念撮影を行いしました。)
(風車の足元では、羽が近くを通るたびに空気を切る音がはっきり聞こえます。)
(高台から見た、風車が立ち並ぶ光景は壮観です。)
(「道の駅 黒之瀬戸だんだん市場」の様子です。農産物や海産物が豊富に売られていました。)
(道の駅近くの風景です。海と空の青さ、波の白さがとてもきれいでした。)
(川内原子力発電所に到着後、九州電力幹部の皆様から概要の説明をお聞きしました。)
(バスから、様々な緊急用の設備を見学しました。これは、緊急時に給水する移動式大容量ポンプです。)
(可搬型の直流電源用発電機も多く配置されていました。)
(波のような模様が描かれているのが原子炉本体、右側の四角い建物は、使用済み燃料などを格納する建屋です。)
(原子力訓練センターで、実際の訓練の様子を拝見することができました。)
(最後に、質疑応答を行いました。様々なリスクに対し、考えられる対応をきちんとされているということを感じました。)